Cafe Tal
メキシコのグアナファトにあるカフェ、「Cafe Tal」について今回は紹介したいと思います。
グアナファトに住んでいた頃、夜型人間だった僕は毎日10時過ぎくらいに起きると、毎朝必ずこのカフェに通ってました。Santo Cafeの橋を越え、若者の夜の溜まり場Bar flyを過ぎた先にあるこのカフェは、僕の長いメキシコ滞在の中でも一番のお気に入りのカフェでした。
朝6時から夜11時まで、お店は質素ながら焙煎されたコーヒーの匂いがいつも漂い、BGMの無い店内では、皆がコーヒーを楽しみ、ぼんやりと通りを眺め、騒々しいグアナファトの中でゆったりと時間が止まってるような空間でした。僕はここへ毎朝来ては、物思いにふけったり、旅のプランを考えたり、スペイン語の勉強をしたり、友達とたわいもない話をしたり、僕にとってなくてはならない場所となっていました。
「Cafe Tal」の名前の由来はこの猫、Talクンからきています。気ままなTalクンは機嫌が良いと膝の上で丸くなります。ちなみに店のロゴにもなっています。
ここに初めて来た時、窓際でギターを弾く一人の異才を放つ青年がいました。彼はBeatlesのBlack Birdを弾いていましたが、必ずある箇所を間違えていました。気持ちよく弾いている彼を邪魔しちゃいけない...と思いつつ、どうしても我慢が出来ず、「perdon?ちょっとかしてみ?」と話しかけました。これが僕とグアナファト一番の友人、ロドリゴとの出会いでした。すぐ僕らは仲良くなり一緒に住むようになるわけです...!!
芸術の街、グアナファトの中でも特に変わっている彼と僕はある日、このカフェのロゴをタトゥーとして入れると一生コーヒーがタダになるという噂を聞きました。僕はまさかと思いましたが、次の日彼は満面の笑みで足首のTalクンを見せてくれました。
こうして彼は一生をグアナファト、そしてCafe Talと共に過ごすこととなるのです。
大和田