古代の人々が残したもの
- 2015.02.02
先日プライベートでノルウェーの最北部にも該当するフィンマルク県のアルタに行ってきました。アルタは北極圏、アルタフィヨルドの奥にある街で、北欧・ロシアにまたがる北部の民族であるサーミ人が古代から暮らす街でもあります。
この街には<アルタの岩絵>という世界遺産があり(1985年登録)、これらは紀元前4200年から紀元前500年頃までにサーミ人によって描かれた岩絵で、今なお当時の暮らしを伝えてくれるという大変興味深いものです。
そこでふと頭に浮かんだのが同じように洞窟に描かれた先史時代の芸術遺産、アルゼンチンはリオ・ピントゥラスにある<クエバ・デ・ラス・マノス(手の洞窟)>(1999年登録)でした。この洞窟はパタゴニア地方にあり、洞窟内に描かれた手形は先住民族によって9000年ほど前から描かれたものといわれています。
ここに描かれているのは手形だけではなく人の姿やグアナコというリャマに似た動物やその他の動物たち、狩りの様子などもあり、こちらも今なおいきいきと息づく壁画です。
古代の人々の残したものにはとりわけ強い関心がありますが、これら二つの世界遺産は北半球の北端部と、南半球の南端部で同じくらいの時代に、同じように、人々が何かを残しているというのが感慨深く思います。
アルゼンチンはサッカーやワイン、そしてブエノスアイレスなどは街歩きするだけでも楽しめるところですが、やはりアルゼンチンに行く機会があれば訪れてほしいのが壮大な自然です。特にパタゴニア地方ではロス・グラシアレス国立公園とバルデス半島、そしてリオ・ピントゥラスのクエバ・デ・ラス・マノスと3つが世界遺産に登録されていますので、ぜひ足を延ばしてみてください。
(私も訪問したい!!)